新年を迎える、日本の伝統を知っておこう!

新年を迎える、日本の伝統を知っておこう!

新年を迎える準備や、年末年始に行われる行事や習慣は、日本人の生活に深く根付いています。普段何気なく行っているしきたりや、参加している行事にも、実はさまざまな意味や由来があります。

今回は、そんな年末年始の日本文化について、その意味や由来とともにご紹介します。

目次

新年への第一歩、正月事始め

新年を迎える準備を始める日、それが「正月事始め」です。旧暦12月13日に行われるこの行事は、年神様を迎えるための準備を始める大切な日とされています。

「鬼宿日」にあたることから、鬼に邪魔されずに準備を進めることができる吉日とされています。また、鬼宿日とは「鬼が宿にいて外に出歩かない日」という意味で、「鬼」という言葉が付くため、悪い日に感じがちですが、そうではありません。

正月事始めからは、大掃除や門松、しめ縄飾りなどのお正月飾りを始めます。大掃除は、一年の汚れや厄を落とし、新年を迎える準備をするためです。また、お正月飾りは、年神様を祝い、招き入れるためのものとして飾られます。

正月事始めは、新年を迎える準備を始める大切な日です。この日から、新年の準備を始めて、気持ち新たに新年を迎えましょう。

一年の締めくくり、大晦日

一年の最後の日、大晦日(おおみそか)は、旧暦では毎月の末日を「晦日(みそか)」と呼ぶことから、1年の最終の晦日を「大晦日」と呼びます。

大晦日は、年神様を迎える準備の日でもあります。年神様は、新年を祝い、幸福や豊作をもたらす神様とされています。そのため、大晦日は、年神様を迎えるために、家をきれいに掃除したり、門松やしめ縄などの飾りをつけたりして、家を清め、準備を整えます。

また、大晦日には、年越しそばや雑煮などの食べ物を食べるのも、年神様を迎える準備のひとつです。

このように、大晦日は、一年の締めくくりであり、また、新年を迎える準備の日でもあります。一年の終わりと始まりを祝う大切な日です。

年越しそばの由来と意味

年越しそばは、大晦日の年を越す前に食べる伝統的な日本の料理です。その由来や意味には、さまざまな説があります。

1つ目の説

そばが細く長いことから、長寿を願う意味があるというものです。そばは、1年を通して収穫できる食材であり、また、細く長い形状から、長寿や無病息災を願う食べ物として親しまれてきました。

2つ目の説

そばが切れやすいことから、その年の苦労や厄災を断ち切る意味があるというものです。そばは、うどんやラーメンなどの麺類に比べて切れやすいため、この説が最もよく知られています。

3つ目の説

江戸時代の職人が、散らかった金銀を集めるためにそば粉を使ったことから、金運上昇を願う意味があるというものです。そば粉は、金色に輝くことから、金運上昇を願う食べ物として重宝されました。

4つ目の説

そばは雨風にさらされても、陽の光を浴びると元気になることから、健康を願う意味があるというものです。そばは、日本の伝統的な食材であり、その丈夫さから、健康を願う食べ物として親しまれてきました。

年越しそばは、日本の伝統的な文化であり、その由来や意味は、日本人の生活や文化を象徴するものと言えるでしょう。

除夜の鐘の意味と由来

除夜の鐘は、大晦日の夜に寺院でつくられる鐘のことです。除夜とは、旧年を除くという意味であり、大晦日の夜は、一年の終わりを意味します。

除夜の鐘は、108回つくられます。この108という数字は、人間の煩悩の数を表しており、除夜の鐘をつくることで、煩悩を取り除き、清い心で新年を迎えるという願いが込められています。

除夜の鐘は、日本仏教の行事として、鎌倉時代に始まったと言われています。当時の禅宗では、年神様を迎える前に、煩悩を取り除き、清い心で新年を迎えることが重要であると考えられていました。そのため、除夜の鐘をつくることで、煩悩を取り除き、年神様を迎える準備をしていました。

現在では、除夜の鐘は、日本全国の寺院で行われており、多くの人々が除夜の鐘をつくることで、新年を迎える準備をしています。

元旦と元日の意味の違い

元旦と元日、どちらも1月1日を表す言葉ですが、意味には違いがあります。

元旦とは?

1月1日の朝を指す言葉です。元は「初め」、旦は「日の出」を意味します。つまり、元旦は「初めの日の日の出」という意味になります。

元日とは?

1月1日全体を指す言葉です。元は「初め」、日は「日」を意味します。つまり、元日は「初めの日の」という意味になります。

元旦は、新年を迎える最初の日の朝を意味する言葉であり、新年の始まりを表す大切な日です。元日は、新年を迎える最初の日全体を意味する言葉であり、元旦を含む新年の初日を表す言葉です。

初夢の縁起物と夢占い

初夢とは、元日~2日の夜に見る夢のことです。初夢は、一年の運勢を占うと言われており、縁起の良い夢を見ることで、幸せな一年を過ごせるとされています。

初夢に見ると縁起が良いとされているものには、以下のようなものがあります。

  • 一富士:富士山は、日本を代表する山であり、高い山を表すことから、出世や成功を意味する。
  • 二鷹:鷹は、空を自由に飛ぶことから、自由や独立を意味する。
  • 三茄子:茄子は、長寿や子孫繁栄を意味する。
  • 四扇:扇は、風を招くことから、幸運を招く意味する。
  • 五煙草:煙草は、お金や財産を意味する。
  • 六座頭:座頭は、笑顔で踊ることから、幸せな一年を過ごせる意味する。

良い夢を見るには、以下のようなものがあります。

  • 大掃除をして、家を清潔にしておくこと。
  • 枕の下に、七福神の乗っている宝船の絵を敷いて寝ること。
  • 初夢の夢占いを知っておくこと。

初夢は、一年の始まりに見る特別な夢です。良い夢を見て、幸せな一年を過ごしましょう。

お年玉の由来

お年玉は、新年を迎える際に、年長者が年少者に贈るお金や品物のことです。

お年玉の由来は、古くから続く年神様へのお供え物にありました。年神様は、新年を祝い、幸福や豊作をもたらす神様とされています。そのため、年神様へのお供え物には、神様の魂が宿ると考えられていました。

その年神様のお供え物である丸い餅を、年少者に分け与えていたのが、お年玉の始まりと言われています。丸い餅には、神様の魂が宿っており、その魂を年少者に分け与えることでお年玉は、年少者の成長を祝い、幸せを願うという意味を持つようになりました。

現在では、お年玉は、お金や品物だけでなく、おもちゃやゲームなどの贈り物も一般的となっています。また、年少者だけでなく、親戚や友人など、年齢や関係性に関わらず、お年玉を贈るケースも増えています。

お年玉は、新年を祝う大切な行事であり、年神様へのお供え物から始まったという由来を、忘れずに受け継いでいきたいものです。

初詣の由来と意味

初詣とは、新年を迎える際に、神社や寺院に参拝することです。

初詣の由来は、古くから続く年神様を迎える習慣にありました。年神様は、新年を祝い、幸福や豊作をもたらす神様とされています。そのため、年神様を迎えるために、家長が大晦日の夜から元日の朝にかけて、氏神神社に籠る「年籠り」という習慣がありました。

年籠りが、大晦日の「除夜詣」と元日の「元日詣」に分かれ、元日詣が初詣の原型となりました。
初詣は、年神様を迎え、新年の無病息災や幸福を祈る大切な行事です。
現在では、有名な寺社に参拝するのが一般的ですが、せっかくなので由来を考えると、まずは自分の氏神様にお参りするのも良いのではないでしょうか。
氏神様は、自分のご先祖様が信仰してきた神様です。氏神様を大切にすることは、ご先祖様を大切にすることと同義です。

初詣の際には、ぜひ自分の氏神様にお参りしてみてはいかがでしょうか。

お賽銭の由来と意味

お賽銭とは、神社や寺院に参拝する際に、神仏に奉納する金銭のことです。

お賽銭の由来は、古くから続く神仏へのお供え物にありました。古代においては、神仏へのお供え物は、主に穀物や野菜などの農産物でした。

現在でも、神社でお祓いをした際に収める「初穂料」は、お米などの穀物を供えていた頃の名残です。
やがて貨幣取引が一般化するにつれて、お賽銭は金銭に変わりました。
お賽銭は、神仏への感謝の気持ちや、神仏の加護を願う気持ちの表れです。また、お賽銭を納めることで、神仏とのつながりを深めるという意味もあります。

お賽銭を納める際は、心を込めて丁寧に納めるようにしましょう。

おみくじの由来と意味

おみくじとは、神社や寺院で引く、神仏のお告げを示す紙くじのことです。

おみくじの由来は、古くから続く神の意志を占う習慣にありました。
古代においては、国の祭政に関する重要事項や、戦の勝敗を占うために、籤引きが行われていました。

やがて、一般の人々も、神仏のお告げを聞いて、吉凶を占うために、おみくじを引くようになりました。

おみくじの運勢は、一般的に「大吉」「吉」「中吉」「小吉」「末吉」「凶」「大凶」の7段階に分けられます。

「大吉」は、最上の吉で、一年を通して何事も順調に進むとされています。

「吉」は、良いことの多い年になるとされています。

「中吉」は、平穏な年になるとされています。

「小吉」は、やや運の良い年になるとされています。

「末吉」は、やや運の悪い年になるとされています。

「凶」は、苦労や災難の多い年になるとされています。

「大凶」は、最も悪い運勢で、災難や不幸が起こりやすい年になるとされています。

なお、おみくじを引いた後は、神社や寺院の境内に設置されているおみくじ箱に納めます。
また、おみくじに書かれていることは、あくまでも神仏のお告げであり、必ずしもその通りになるとは限りません。
しかし、おみくじを引くことで、一年の運勢を占い、心の準備をすることができます。

松の内と正月飾りの片付け

松の内とは、正月の門松を飾る期間のことです。

松の内は、年神様が家を訪れる期間とされており、松の内を過ぎると、年神様がお帰りになると言われています。

松の内は、一般的に東日本では7日、西日本では15日とされています。
松の内を過ぎたら、正月飾りを片付けます。
正月飾りを片付ける際には、年神様が帰られたという感謝の気持ちを込めて、丁寧に片付けましょう。

また、正月飾りは、燃えるゴミとして出すのではなく、1月15日前後に神社で行われる「どんど焼き」に持っていくのが良いでしょう。

どんど焼きは、年神様をお焚き上げする神事であり、正月飾りをどんど焼きに入れることで、年神様への感謝の気持ちを表すことができます。

七草粥と七草の意味

七草粥とは、1月7日の「人日の節句」の朝に食べる粥のことです。

七草粥は、その一年の無病息災を祈って食べます。

七草粥の材料は、

  • 芹(せり):魔除け
  • 薺(なずな):邪気払い
  • 御形(ごきょう・ははこぐさ):厄除け
  • 田平子(はこべら・はこべ):長寿
  • 仏座(ほとけのざ・こおにたびらこ):延命
  • 菘(すずな・かぶ):健康
  • 清白(すずしろ・だいこん):清浄

七草のそれぞれに意味があり、無病息災や長寿、厄除け、延命などの願いが込められています。
七草粥は、地域によって使う材料が異なる場合があります。

例えば、関東地方では「ふきのとう」や「すずらん」が加えられることがありますが、九州地方では「なでしこ」や「ごぼう」が加えられることが多くあります。
七草粥は、新年を迎えたばかりの胃腸に優しく、栄養価も豊富な料理です。

ぜひ、この機会に、七草粥を作って、新年の無病息災を祈ってみてはいかがでしょうか。

鏡開きと鏡餅

鏡開きとは、松の内が終わってから行われる、年神様をお送りする行事です。
鏡開きは、東日本では1月11日、西日本では1月15日や20日に行われることが多いです。

鏡開きでは、年神様にお供えした鏡餅を、お雑煮やお汁粉にしていただき、無病息災、長寿、家内安全を祈ります。

鏡餅は、神様が宿っていたものであるため、刃物で切らずに、木づちや手で割ります。
鏡餅を割る際には、年神様が帰ってくださったことを感謝し、無病息災や家内安全などを願います。
鏡開きには、地域によってさまざまな風習があります。
例えば、関東地方では、鏡餅を割った後に、その餅を家族で分け合って食べることが多いです。

また、西日本では、鏡餅を割った後に、その餅を神社やお寺に奉納することもあります。
鏡開きは、新年の無病息災や家内安全を祈る大切な行事です。

ぜひ、この機会に、鏡開きを行ってみてはいかがでしょうか。

年末年始の日本文化を振り返って

さて、ここまで年末年始の日本文化について、いくつかの行事をご紹介してきました。

お正月は、年神様をお迎えし、その年一年の幸せを願う大切な期間です。

近年では、そういった文化や習慣が薄れつつあるようにも感じますが、知ってさえいれば、今年はちょっと正月飾りをやってみようかな、なんて考えるきっかけになるかもしれません。

また、今日お伝えした内容はあくまでも一般的なものです。それぞれの土地には、独自の文化や習慣があるはずです。ぜひ、地元の年末年始の文化を調べてみるのも面白いかもしれません。

今年の年末年始は、いつもとは少し違った過ごし方をしてみてはいかがでしょうか。

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